第3回【ツール連携】IllustratorとPhotoshopでAIイラストを商品化する

ハッピー主夫ライフ、家庭内独立をする！

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この回では、AI生成イラストをストック素材として販売するための必須ツールであるIllustratorとPhotoshopの具体的な活用法と、それらを使った作業手順を解説します。

🎨 第3回　【ツール連携】IllustratorとPhotoshopでAIイラストを商品化する
ベクター画像 (EPSファイル) 作成のルール (プロ向けのデータ)
1. 最も重要なポイント
2. 細かいクリーンアップ作業
PNG画像作成のルール (背景が透明なデータ)
1. 最も重要なポイント
2. まとめると…
まぁ〜投資とピクスタ写真・イラスト・動画素材販売サイト【PIXTA（ピクスタ）】で当分頑張ってみようと思います。

🎨 第3回　【ツール連携】IllustratorとPhotoshopでAIイラストを商品化する

💡 はじめに　なぜAI生成後の「加工」が必須なのか？

AIで作成したイラストは、そのままではストックフォトサイトの審査基準（特にPIXTA）をクリアできないことが多々あります。解像度の不足、微妙なノイズ、そして何より「ベクター形式（EPS）」での需要に応えるため、プロ向けの画像編集・デザインツールであるAdobe IllustratorとPhotoshopの連携は欠かせません。

この回では、AIイラストを商用レベルの「商品」に仕上げるための具体的なワークフローを解説します。

ベクター化（Illustrator）とラスターデータ（Photoshop）の使い分け

ストック素材には大きく分けて2種類のデータ形式があります。

種類	特徴	主な用途	担当ツール	PIXTAでのファイル形式
ラスター	ドット（ピクセル）の集合。拡大すると画質が劣化する。写真や複雑なグラデーション表現に優れる。	Webサイト、ブログ、SNS、印刷物（等倍）	Photoshop	JPEG, PNG
ベクター	数式で表現された線や図形の集合。どれだけ拡大・縮小しても画質が劣化しない。ロゴやシンプルなイラストに最適。	印刷物（サイズ自由）、デザインパーツ	Illustrator	EPS

*１ピクスタイラストアップロード方法
ベクター、PNG、JPGはZIP（EPS、PNGをフォルダに入れて圧縮）でアップロード
ベクター、JPGはZIP（EPS、JPGをフォルダに入れて圧縮）でアップロード
PNG、JPGはPNG（販売用のJPGは、PNGから自動で生成されます）でアップロード

AIイラストを「売れる素材」にするには、特に需要の高いベクター形式（EPS）に対応できるよう、Illustratorでの加工スキルが重要になります。

AI生成イラストをIllustratorでトレース・EPS化する手順

AIで作成したイラストをベクターデータにする基本的な手順を見ていきましょう。

ステップ①　AI生成画像の準備

AIで画像を生成する際、可能な限り高解像度（例：2000px以上）で出力してください。

ステップ②　「画像トレース」機能の活用

IllustratorにAI生成画像を配置します。
画像を選択した状態で、上部メニューの**「オブジェクト」から「画像トレース」→「作成と拡張」**を選択します。
- ヒント：画像トレースパネル（ウィンドウ→画像トレース）を開き、「カラースライス」や「パスの簡略化」の数値を調整することで、ベクター化の精度をコントロールできます。

ステップ　データ品質のチェックと修正

トレース後、グループ化を解除し、細かすぎるアンカーポイント（点）が多すぎないか確認します。

ベクター化で不自然になった線や曲線を**「ダイレクト選択ツール（A）」や「スムーズツール」**を使って修正し、洗練させます。
EPS形式で保存する際、「Illustrator EPS」を選択し、プレビューは「TIFF（8-bitカラー）」に設定しましょう。

Photoshopでの修正（解像度調整・ノイズ除去・不自然さ解消）

AIイラストの「不自然さ」を解消し、ラスターデータ（JPEG/PNG）としての品質を確保するためにPhotoshopを使います。

(1) 解像度調整とノイズ除去

解像度の確保: PIXTAの推奨サイズ（例：写真素材で400万画素以上）を満たすよう、必要に応じて画像を拡大し、不足分を補完します。
ノイズ除去: **「フィルター」→「ノイズ」→「ノイズを軽減」**を適用し、AI特有のザラつきや色ムラを軽減します。

(2) 不自然な箇所の修正

AIイラストで最も問題になりやすいのが「手足の変形」や「背景の歪み」です。

修正方法：
- スタンプツール：近くの自然なテクスチャをコピーして、不自然な箇所（指の数が多い、歪んでいるなど）に重ねて修正します。
- ゆがみフィルター：わずかな形状の歪みを自然な形に調整します。
- パッチツール：大きな不自然な領域を、周辺の自然な部分で置き換えます。

実践：AI生成イラストをPIXTA審査通過レベルに仕上げるワークフロー

ステップ	目的	使用ツール	備考
1. AI生成	高解像度のラスターデータ（PNG/JPEG）を出力	Midjourney, Stable Diffusionなど	ネガティブプロンプトで手の変形等を極力回避
2. ベクター化	EPS形式での販売に対応させる	Illustrator	「画像トレース」→「拡張」→線の修正
3. ラスター修正	ノイズ・不自然さを解消し、審査品質を確保	Photoshop	ノイズ除去、不自然な箇所の修正、最終的な色調整
4. ファイル保存	PIXTAへのアップロード準備	Illustrator/Photoshop	ベクター：EPS形式で保存 / ラスター：JPEGまたはPNGで保存

このIllustratorとPhotoshopを組み合わせたワークフローを確立することで、AI生成のスピードを活かしつつ、PIXTAで売れる高品質なストック素材を効率よく量産できるようになります。

ベクター画像 (EPSファイル) 作成のルール (プロ向けのデータ)

ベクター画像（この場合はEPSファイル）は、拡大しても画質が落ちない「線と形」でできたデータです。主にAdobe Illustratorというプロ用のソフトで作成します。

最も重要なポイント

ソフトの指定: 必ずAdobe Illustratorを使って作成してください。他のソフトのEPSファイルは受け付けられません。
バージョンの指定: Illustratorの古いバージョン（8.0〜CS2）でも開ける形式で保存してください。
テキスト処理: 入力した**文字（フォント）は、必ず「アウトライン化」**してください。これをしないと、見る人のパソコンに同じフォントがない場合に文字化けします。
写真・ビットマップ画像の禁止: **写真や、写真をベクター化したデータは使えません。**このデータは「線と形」だけで構成されている必要があります。
色: 「特色（スポットカラー）」は使わず、CMYKやRGBなどの一般的な色（プロセスカラー）にしてください。
データサイズ: ファイル容量は50MBまでに、ドキュメントのサイズは100mm x 100mm以上にしてください。

細かいクリーンアップ作業

アップロード前に、ファイル内から以下の不要な要素をすべて削除してください。

孤立点: 画面上で見えない、クリックしても何もない場所にある小さな点（ゴミのようなもの）。
塗りのオープンパス: 塗りの色が設定されているが、完全に閉じていない線。（線が設定されているオープンパスはOK）。
ロックされたレイヤーや非表示のレイヤー: 見えないレイヤーやロックしたレイヤーは残さないでください。
トンボ: 印刷の際に使う目印（裁ち落とし線）は含めないでください。
アートボード内の配置: 作成したイラストは、画面の中心にある**「アートボード」**という作業範囲内に収めてください。
ラスタライズ効果の解像度: メニューから設定を確認し、「300ppi (高解像度)」以上に設定されていることを確認してください。これは、エフェクト（ぼかしなど）を使った際、その部分が粗くならないようにするための設定です。

PNG画像作成のルール (背景が透明なデータ)

PNGファイルは、背景を透明にできる画像ファイルです。ウェブサイトなどで使いやすいように、EPSデータから作成します。

最も重要なポイント

透過が必須: PNGファイルには、**必ず透明な部分（透過部分）**が必要です。
JPGファイルとのセット: 背景が透明なPNGを販売したい場合、必ず「背景が白のJPG」と「背景が透明のPNG」の2つをセットでアップロードしてください。
透過PNGのアップロード方法:
1. まずJPGファイルをアップロードします。
2. 次に、そのJPGに紐づける形で任意の箇所を透過させたPNGファイルをアップロードします。
サイズ合わせ: PNGファイルの長辺・短辺のサイズは、JPGファイルと同じか、それより大きく書き出してください。
販売サイズ: もしJPGより大きなサイズのPNGをアップロードした場合、販売できる最大サイズは大きい方のPNGのサイズに統一されます。
推奨カラースペース: PNGの色の設定（カラースペース）は、sRGBにしてください。sRGB以外だと、システム側で自動でJPGを作成する際に意図しない色が変わってしまう可能性があります。

まとめると…

あなたが作る素材が「プロが加工できるデータ」と「すぐ使える透過データ」の両方として正しく販売されるために、以下のことを守る必要があります。

ファイル	目的・特徴	守るべきことの例 (超重要)
EPS (ベクター)	拡大しても劣化しない元データ	Illustratorで作る / 文字をアウトライン化 / 写真・画像を入れない/ 不要なものを消す
PNG (透過)	Webなどで使える背景透明なデータ	必ず透明な部分を作る / JPGと同じか大きいサイズで書き出す / sRGBで書き出す